2013年2月11日月曜日

手作り食出来ること・出来ないこと


犬が病気になって、まず飼い主さんが見直すのが犬の食事であろう。

もちろんドライフード<手作り食(きちんと設計されたもの)であるのは疑いない。これは日常の食事でも同じことで、いまさら言うまでもない。

しかし、残念ながら食事に重篤な病気を治す力はない。
免疫向上・解毒とバカのひとつ覚えのように繰り返す人々もいるけれど、例えば腫瘍の場合、免疫はあげすぎてはならない。食事だけでがんや心臓病が治るのならば医者はいらない。さらに、心臓は筋肉なので、不可逆的な変化あるのみ。治ったなら、最初の診断が単なる誤診だ。

今までの経験で、食事で治すこと、軽快させることができるものは

■涙やけ(穀類その他原因がわかるアレルギーの場合)、
■肛門付近・手足の指の間の毛色の変色。
■ストラバイト尿症(すでに巨大な石になっているものはムリ)、
また過栄養を改めるのを含めれば、
■肝臓の逸脱酵素(AST,ALT)の正常化(正常値内に収められるということ)
そして
■体重の調整。
■腎不全の進行を多少は遅らせること
■腸炎(かなり管理が必要)

そのくらいです。

他の多くの病気については、食事(食材)の力だけで治すことはムリ。
上手く薬を使いつつ、ドライフード「よりは」負担にならない手作り食によって、犬の身体(器官)を労わって治療が上手くいくようにするのがせいぜい食事にできること。

ペット栄養管理士がこんなことを書いていいのか、とも思うけれど、世の中の飼い主さんは過大な期待を食(手作り食)に寄せすぎているように思う。
そしてサプリにも。
サプリをたくさん与えて安心している人が多いけれど、単一の栄養分を濃縮したサプリメントを与えることは却って健康を害することが最近つとに知られてきている。ただし、EPA(フィッシュオイル)・乳酸菌は別。


もちろん、ドライフードは消化も悪く水分も少ないからあらゆる病犬に向きません。これは大前提。

最近、自称獣医の術中にまんまとはまってリンパ腫の抗がん剤治療をとりやめてしまった犬を何頭かみた。

そのうちのお一人のブログのコメント返しにあった言葉。

「何もしなければ4~6週間(かかりつけ獣医師に言われた言葉)、、、何もしなかったわけじゃないのに」
あまりにも悲痛じゃな叫びじゃないですか?

飼い主さんはこの子の生存を信じ、食事・除菌・吸引を続けました。

おそらくは転移によって下痢が止まらなくなっても「好転反応」を信じ、かかりつけや腫瘍認定医に見せることはしませんでした。

ただひたすら除菌・吸引・食事。

結果、この子は発症後43日で亡くなりました。

リンパ腫消化器型だったので、長く生きることは難しかったかもしれないけれど、化学療法を試みればまた別の結果があったかもしれない。

飼い主さんは自称獣医師の「絶対大丈夫、治ります」という言葉を信じたんですよ?
そもそも医学の徒が軽々に「絶対」などという言葉を出してよいのだろうか。

ホメオパシーもまた同じ。赤ちゃんがビタミンKを投与されずレメディだけを与えられて亡くなったことは記憶に新しい。単なる砂糖玉をありがたがって犬や猫に投与しても何の効果もありません。
なぜなら、犬猫には「思い込み」「イワシの頭も信心から」はないから。彼らにあるのは現実のみ。


ではなぜ人間にはしばしば奇跡みたいなことが起こるのか?

良くも悪くも人間は思い込める。私も70ミリもあった子宮筋腫を思い込みと生姜紅茶と湯たんぽだけで治した人間です。この精神の力って実に大きい・・・犬や猫にはできないんです。


闘病に向かう飼い主さんが、現実から目を背けず、逃げ出さず、科学の力を借りて、犬猫ほか全てのペットとともに歩かれることを心から願います。

あ、私、漢方とハーブは信じてるんですよ。目にみえますもん、物体も効果も。ただ、選択とか効果を出すベストのタイミングでの投与がほんと難しいので、熟練のお医者様やハーバリスト(でいいのかな?)と出会えるかどうか、が運、なのかな、と思います。

というわけで、手作り食は身体をケアするにはむいているけれど、万能ではないってことが言いたかったのでした。

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この記事の元記事は私の本家ブログ『ももとお散歩2』に書いたものです。
原文読みたかったらこちらにどうぞ。罵詈雑言が飛び交う反響の高い元記事はこちら
すごいぞー。

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